水槽内の苔取りくんとしても有名な、ヤマトヌマエビとミナミヌマエビ。
ショップで販売されていることが多いヤマトとミナミですが、違いが分かりづらいですよね。
今回はアクアリウムで入れることの多いヤマトヌマエビとミナミヌマエビの違いを見ていきましょう。
また、2種類のヌマエビがメダカと混泳することが可能な理由や注意点についても解説します。
ヤマトヌマエビとミナミヌマエビの違いは?
ヤマトヌマエビとミナミヌマエビ。
どちらも淡水に生息しているエビであり、アクアリウムではポピュラーな品種です。
そんなヤマトとミナミの違いは下記の通り。
①顔(見た目)の違い
②体格の違い
③繁殖の違い
1つずつみていきましょう。
ヤマトとミナミの違い:①顔(見た目)の違い
ヤマトヌマエビとミナミヌマエビの見た目は凄く似ています。
そのため、注意深く観察をしてポイントをチェックしてみると、ヤマトとミナミの判断できるようになります。
まずは、ミナミヌマエビ。
頭の先がクチバシのように伸びていて、触角が出ているのが分かりますね。
身体は半透明で、透けて見えている姿も面白いです。
ミナミヌマエビは食べている物や、住んでいる環境で色がガラッと変わります。
水槽内で苔をメインに食べている個体は緑色になることもあり、色見も楽しめますね。
続いてはヤマトヌマエビ。
ミナミヌマエビと大きく違うのは、身体の横に見える『黒い斑点』です。
ヤマトヌマエビも食べるものや飼育環境で色が変わってくるので、こちらも色見が楽しめるヌマエビです。
ヤマトとミナミを見た目で判断する場合には、黒の斑点が入っているかで分かりますね。
次は体格について。
ヤマトとミナミの違い:②体格の違い
ヤマトヌマエビとミナミヌマエビは黒の斑点が入っているかで違いが分かりますが、
さらに分かりやすいのは、体格(大きさ)の違いです。
ミナミヌマエビは最大3センチほどですが、ヤマトヌマエビは大きい個体になると6センチを超えることがあります。
大きいのはヤマトで小さいのがミナミ、といった感じですね。
並べて比較してみましょう。
上がミナミヌマエビで、下がヤマトヌマエビです。
比べてみると大きさの違いが一目瞭然ですね。
ヤマトヌマエビはミナミヌマエビの倍近い大きさがあるため、食用も旺盛。
あまり数を入れすぎてしまうと、水槽内の水草を食べてしまい食害を起こすことがあります。
反面、ミナミヌマエビは比較的食べる量が少ないため食害に発展することは少ない。
水槽を入れるヌマエビを検討する際には、どんな水草を入れるのかも判断基準になりそうです。
つぎは、繁殖についての違いを見てみましょう。
ヤマトとミナミの違い:③繁殖の違い
水槽内で飼育されているヌマエビ達は、雌雄と飼育環境に問題が無ければ勝手に抱卵します。
抱卵するまでに大きな違いはありませんが、産まれる『稚エビの育て方』が変わってきます。
ミナミヌマエビは抱卵後に一定期間お腹で卵を育て、育った稚エビを脚でかき出すように産み落とします。
母親から巣立ったミナミヌマエビの稚エビは、親と同様の食事をとり淡水で大きくなります。
一方、ヤマトヌマエビはアユなどと同じ、両側回遊型の動物です。
ヤマトヌマエビの稚エビは淡水のままでは生活できず、育てるためには汽水(海水)が必要となります。
水槽内でヤマトヌマエビを飼育すると、抱卵することはあっても個体が増えることはありません。
そこがミナミヌマエビとヤマトヌマエビの繁殖での大きな違いになります。
将来的に増やしたいのか?という部分も、ヌマエビ選択の判断基準になりそうですね。
ヤマトヌマエビとミナミヌマエビはメダカと一緒に泳がせていても問題ないのか?
見ていきましょう。
ヤマトとミナミはメダカと混泳可能!
メダカとエビを一緒にすると、どちらかが食べてしまうのでは無いか?
お店を出している時に質問されることが多いですが、
ヤマトヌマエビとミナミヌマエビは、メダカと混泳しても大丈夫です。
その理由は、どちらも襲いあうことが無いからです。
ヤマトヌマエビとミナミヌマエビは雑食性です。
基本的には水槽内に発生した苔を食べたり、水草やプランクトンを食べています。
他の魚と混泳している場合には、沈殿した魚の餌の残りも食べてくれます。
残り餌は水質悪化の大きな原因となるため、それを食べてくれるヌマエビは、最高のパートナーといえます。
水槽内に発生する苔や残り餌を食べて生活するため、特別にヌマエビ用でエサを用意する必要もありません。
アクアリウムの天敵である苔も処理してくれ、残り餌を食べて水質管理にも貢献する。
混泳させない理由が見つかりませんね。
ヤマトヌマエビとミナミヌマエビは、メダカの死骸を食べることがあります。
そのため、弱って動かなくなったメダカが食事となる場合もありますので、
避けたい場合には弱っているメダカは分けるようにしましょう。
最後に混泳させる時の注意点を見ていきましょう。
ヤマトとミナミをメダカと混泳させる時の注意点は?
ヤマトヌマエビとミナミヌマエビをメダカと混泳させる時の注意点はこちら。
①ヌマエビによる食害
②卵を食べてしまう可能性
③大量飼育による水質悪化
ヤマトとミナミをメダカと混泳させる時の注意点:①ヌマエビによる食害
①については前の見出しで解説した通り、主にヤマトヌマエビの食べ過ぎにより起こる水草への影響です。
しかしヤマトヌマエビだけではなくミナミヌマエビを大量に飼育している場合には、水草の新芽などを食べてしまうので注意しましょう。
メダカ・ヌマエビ・水草を使って水槽を立ち上げる時に、ヌマエビの入れる量を少し控えめにすると良いでしょう。
ヤマトとミナミをメダカと混泳させる時の注意点:②卵を食べてしまう可能性
メダカは相性の良い雌雄と育成環境が揃っている時に卵を産みます。
産んだ卵は1週間から10日ほどで孵化しますが、その間にヌマエビに食べられてしまう可能性があります。
飼育しているメダカの卵を孵化させたい場合には、産卵床などを入れて卵を産みつけてもらい別の場所で管理するようにしましょう。
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ヤマトとミナミをメダカと混泳させる時の注意点:③大量飼育による水質悪化
水槽内の苔を食べてくれて、メダカの残り餌も食べてくれる。
であれば、沢山のヌマエビを水槽に入れておけば綺麗な水槽が維持できるのではないか?
このような考えをする方もいるかもしれませんね。
確かに苔などの被害は控える事ができるので、掃除をする機会が減ることにはなります。
しかし注意すべきは『水質の悪化』。
苔や残り餌を食べた分、ヌマエビも排泄を行うため、
大量の個体がいる事で、水質悪化の要因となってしまいます。
そのため、水槽内で飼育するヌマエビの数は適度な数にしておかないと水質悪化の原因となる可能性があるため、注意が必要です。
まとめ
今回はアクアリウムで大人気のヤマトヌマエビとミナミヌマエビについて解説してきました。
ヤマトヌマエビとミナミヌマエビは一見違いが見つけづらいですが、見た目や体格に大きな違いがあることを分かっていただけたと思います。
ヌマエビはメダカと混泳が可能であり、苔や残り餌の処理をしてくれるため良きパートナーであることも分かりました。
しかし注意したいのは、ヌマエビの入れすぎは水質悪化の原因となる可能性があるということ。
自分の目的に合わせて繁殖の違いを考慮し、ヤマトヌマエビとミナミヌマエビどちらにするかを考えてみて下さい。
私は流木についた黒ゴケを処理してもらうことを目的としたため、最初に水槽にいれたのはヤマトヌマエビでした。
最近はメダカ販売と一緒にエビも買いたいという声が多いため、自分でも繁殖が可能なミナミヌマエビも飼育しています。
どちらのヌマエビもメダカと混泳することに問題は無いため、皆さんの目的に合わせて選んであげてください。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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